空き家の見回り頻度で迷う人は多いです。遠いほど行けないし、行けないほど不安になるからです。
一方で、頻度を上げすぎると続かず、下げすぎると草木・カビ臭・近隣クレームの火種が育ちます。大事なのは「自分が続けられる最低ライン」を先に決めることです。
そこでこの記事では、距離と季節を軸に見回り頻度を決める5つの目安を整理します。月1を基準に、増やすタイミングと減らす判断まで落とし込みます。
こんにちは、ケン(2級建築士)です。このサイトでは、墓じまいを中心に、相続・法事・供養まわりで迷う方に向けて「話を盛らない・現実ベース」で整理してお伝えしています。建築業界で約20年、現場施工を軸に、見積もり・段取り・説明の場まで、判断が割れやすいタイミングを数多く見てきました。
わたしは墓じまい工事そのものや士業の専門家ではありませんが、現場側の目線として契約や手続きの前に、どこを確認すれば安心に近づくか/どこで不安が残りやすいかを手順に落として言語化できます。このサイトでは「何から考えるか」「詰まりやすい所」「判断の基準」を、迷わない順番で具体的に整理しています。
▶︎ 運営者プロフィールを見る1. 空き家の見回り頻度は?5つの目安
基本は「月1回」を基準にして、距離と季節で増減させるのが現実的です。
見回りは回数より中身—換気・通水・外観点検・敷地の見た目、この4点が回れば劣化と苦情の確率が下がります。頻度は「移動コスト」と「放置リスク」の釣り合いで決まる。無理に週1を狙うより、月1を確実に回すほうが強いです。
- 自宅から片道1時間以内なら月1回で固定する
- 片道2時間以上なら隔月+台風後だけ追加する
- 庭木が伸びる時期は草木チェックを必ず入れる
- 冬は通水と換気を優先して室内臭を止める
- 近隣クレームが出たら翌月は頻度を上げて回す
「もっと頻繁に行かないと怖い」という反論は自然です。けれど怖さを回数で埋めると、疲れてゼロになる。まず月1の型を作り、問題が出る条件だけ増やす。これが一番続く線です。
2. 距離と季節で決める考え方
距離は「行ける頻度」、季節は「悪化しやすさ」を決める軸です。
近いなら短時間でも回せる—だから小さな異常を早めに拾える。遠いなら回数は下がる—代わりに「行った時に必ずやる項目」を固定する。季節は草木・湿気・強風雨の影響が変わるので、頻度ではなく“追加の条件”として扱うのがコツです。参考資料:cjkk.or.jp。
- 片道時間を基準に月1か隔月かを先に決める
- 大雨強風の後は臨時で外周点検だけ入れる
- 草木が伸びる時期は剪定の外注を予約する
- 湿気が重い時期は換気と拭き掃除を必ず入れる
- 冬は通水を優先して排水トラップを守る
「季節ごとに考えるのが面倒」という反論が出るが、面倒なのは“判断”です。判断を減らすために条件を決める。条件があれば、遠くても回せます。頻度より、増やすタイミングが揃うことが強いです。
3. 頻度がブレる原因
頻度がブレる原因は「毎回やることが多すぎる」ことです。
見回りの現場で迷う—それが一番の敵です。迷うほど作業が増え、終わらず、次回が億劫になる。やることは「外観」「敷地」「室内臭」「水回り」に絞って固定する。固定できたら、頻度は自然に守れるようになります。
- 作業を外観敷地室内水回りの4枠に固定する
- 室内は換気と臭い確認だけに絞って帰る
- 庭は越境枝と通路の草だけに絞って帰る
- 写真の撮影位置を玄関外周の定点に決める
- 作業時間を30分上限にして切り上げる
「せっかく来たから全部やりたい」という反論は出やすい。けれど全部やるほど、次が来ない。最初の勝ちは継続であって完璧ではない。型を作って、回数を守るほうが劣化も苦情も減ります。
4. 月1基準で調整する
月1を基準に「増やす条件」を5つだけ持てば十分です。
増やす条件は例外のスイッチ—条件が揃ったら臨時で行く、揃わなければ月1を守る。条件がないと不安で増やし、疲れてゼロになる。増やす条件は「台風後」「クレーム発生」「草木が限界」「カビ臭が強い」「防犯が不安」の5つで足ります。
- 台風や大雨の後は屋根外壁の異常だけ確認する
- 近隣から連絡が来たら翌週に外周だけ見に行く
- 草木が越境しそうなら剪定を外注で先に入れる
- カビ臭が強いなら換気通水だけ追加で回す
- 窓鍵周りが不安なら防犯チェックを優先する
「条件なんて毎回当てはまる」という反論が出るなら、条件が広すぎる。条件は狭くていい。ここまでやってダメなら、見回りを外注に寄せるか、手放す判断に進むのが現実です。頻度の問題に見えて、実は運用の問題です。
5. よくある質問5つ(FAQ)
Q1. 月1回でも足りないと感じます。どう判断しますか?
足りない理由を「草木」「湿気臭」「防犯」「災害後」「近隣」のどれかに分けます。原因が特定できたら、その条件の時だけ臨時で増やすほうが続きます。
Q2. 遠方で年に数回しか行けません。最低限は何をしますか?
外観一周の点検、換気、通水、ポスト周りの整理を優先します。行けない分は、写真報告がある管理サービスを検討すると不安が減ります。
Q3. 季節で一番頻度を上げるべきタイミングは?
草木が伸びる時期と、大雨強風が増える時期です。頻度を上げるより、剪定や点検の外注を先に予約すると楽になります。
Q4. 見回りで毎回やることが増えてしまいます。
作業を4枠に絞り、時間上限を決めて切り上げます。やることが増えた時点で、頻度は崩れるサインです。
Q5. 近隣クレームが怖くて頻度を上げすぎます。
見回り頻度ではなく「再発防止の仕組み」で止めます。草木は年2回の外注、ゴミは重点箇所だけ、という具合に範囲固定が効きます。
現場職人の本音トーク
わたしは現場を20年以上も見てきた。空き家の見回りは、懐中電灯の電池みたいに最初だけ張り切って切れる。梅雨を越えた頃に臭いと草が一気に主張してきて、そこで背中が冷える。
回らない理由は3つだ。やることが多すぎる、行く基準がない、行けない罪悪感で無理をする。悪意より構造。雪だるまを転がしてるのに、途中から岩を抱えるようなもんだ。
今すぐ、月1を基準にして予定を固定しとく。今日、やることを外観と通水と換気だけに絞っとく。週末、草木の限界だけ確認して剪定は外注でいい。
ここまでやれば、頻度は崩れにくい。増やすのは条件が出た時だけ。ここまでやってダメなら次は管理サービスか、手放す見積を同時に当てる。行ったのに掃除し始めて帰れず、結局また来られない、あの流れが一番多い。
最後は笑える話。見回りに行ったはずが、アルバムを開いて時間が溶ける。で、玄関前の草だけ元気に残る。だから先に、草と水だけ見て帰れ。
まとめ
空き家の見回り頻度は、月1回を基準にして距離と季節で調整するのが現実的です。回数を増やすより、換気・通水・外観・敷地の見た目を固定して回すほうが効きます。頻度の正解は、続く形にある。
次の一手は、台風後や近隣クレームなど「増やす条件」を先に決めることです。条件があれば、不安で増やして疲れてゼロになる流れを切れます。やることを絞り、時間上限を置けば継続が軽くなります。
今日やるのは「月1の予定を固定して、増やす条件を5つだけ決める」だけで十分です。それでも回らないなら、外注か手放しの判断へ進めばいい。頻度の迷いは、線引きで終わります。
