空き家の電気・水道・ガスを止めるべきかで迷っていませんか。基本料金を減らしたい一方で、防犯や劣化が進んで後悔するのは避けたいところです。
止めるか継続かは二択ではありません。最低限だけ残す、季節で切り替える、点検の都合で一時的に通すなど、現実はグラデーションです。
そこでこの記事では、空き家の電気水道ガスを止める前に確認すべき5つを整理します。防犯と劣化のバランスを取りながら、損しない止め方に寄せます。
こんにちは、ケン(2級建築士)です。このサイトでは、墓じまいを中心に、相続・法事・供養まわりで迷う方に向けて「話を盛らない・現実ベース」で整理してお伝えしています。建築業界で約20年、現場施工を軸に、見積もり・段取り・説明の場まで、判断が割れやすいタイミングを数多く見てきました。
わたしは墓じまい工事そのものや士業の専門家ではありませんが、現場側の目線として契約や手続きの前に、どこを確認すれば安心に近づくか/どこで不安が残りやすいかを手順に落として言語化できます。このサイトでは「何から考えるか」「詰まりやすい所」「判断の基準」を、迷わない順番で具体的に整理しています。
▶︎ 運営者プロフィールを見る1. 空き家の電気水道ガスを止める前に5つ確認
先に「目的」と「残す最低ライン」を決めるのが正解です。
とりあえず全部止めると—後から内覧や点検で再開が必要になり、手間と費用が跳ねます。逆に全部つけっぱなしだと、漏電・漏水・ガスの不安が残ります。まず「防犯を優先するのか」「劣化を抑えるのか」「費用を削るのか」を決め、残す機能を1段だけに絞る。ここが結論です。
- 利用予定を売却賃貸保有で決める
- 点検頻度を月1か季節ごとで決める
- 残す通電を照明防犯だけに絞る
- 水道を止めるなら水抜きまで行う
- ガスは閉栓手続きの要否を確認する
「止めれば安くなるから早く止めたい」と思うのは自然です。ですが空き家は、止め方が雑だと劣化コストが後で返ってきます。先に最低ラインを決めてから止めるほうが、結果的に出費が安定します。急がば回れ、の場面です。
2. 防犯と劣化のバランスを取る
完全停止より「最低限の維持」でバランスが取れます。
通電を全停止すると—夜間の暗さで留守が目立ち、通気が止まって湿気が溜まりやすくなります。反対に通電を残すなら、老朽配線のリスクを前提に「使う回路だけ」に絞るのが現実的です。水道は止めるほうが漏水リスクを下げますが、排水トラップの封水が切れると臭気が上がることもあります。優先順位の整理です。
- 照明をタイマーで夜だけ点灯させる
- 通電回路を最小にして不要機器を抜く
- 換気を月1の窓開け点検で補う
- 郵便物を止めて投函溜まりを消す
- 敷地外から見える異常を潰しておく
「防犯なら電気は必須では」と言われがちです。ですが電気があること自体が防犯ではなく、使い方が防犯になります。点灯のリズム、外からの見え方、郵便物の溜まり。この3つを整えれば、電気を最小にしても十分戦えます。やり過ぎない設計が鍵です。
3. 止め方が中途半端
詰まる原因は「止めたつもり」で危険が残ることです。
よくあるのは、水道だけ止めて配管内の水が残り—凍結や破裂で漏水するパターンです。電気を止めたのに分電盤や屋外コンセントの状態を確認しておらず、雨水や劣化で不安が増えることもあります。ガスは閉栓が必要な契約形態があり、手続き無しで放置すると請求や安全面の不安が残ります。中途半端が一番高いです。
- 止水後に蛇口を開けて水切りする
- 給湯器の水抜き手順を確認して実行する
- 屋外コンセントと延長コードを撤去する
- 分電盤の異臭焦げ跡を目視で確認する
- ガスメーター周りの物置きを片付ける
「そこまでやるのは大変です」と感じるかもしれません。ですが大変なのは最初の1回だけで、型ができれば次から早いです。止める作業は、節約ではなく事故予防の作業でもあります。中途半端を潰すだけで、安心が一段上がります。
4. 止める順番を決める
順番を固定すると、防犯と劣化の両方が整います。
基本は「ガス→水道→電気」の順で考えると—漏れや事故の不安を先に消せます。長期不在や空き家では、水道メーターボックス内の元栓を閉めて水抜きを行うよう自治体が案内しています。参考資料:city.fukui.lg.jp。 電気は全停止か最小維持かを決め、残すなら照明など用途を固定します。手順の固定が安全です。
- ガスの閉栓要否を契約で確認する
- 水道の元栓を閉めて水抜きする
- 給湯器の水抜き栓を開けて排水する
- 必要回路だけ通電して他を落とす
- 最終確認を写真で残して共有する
「先に電気を止めたい」と考える人もいます。ですが電気を止めると、給湯器の確認や照明が使えず作業性が落ちます。順番を固定して、安全に止めて、最後に見え方を整える。これが一番ラクです。手順がそのまま防犯にもなります。
5. よくある質問5つ(FAQ)
Q1. 電気は完全に止めたほうがいいですか?
防犯と点検の都合で、最低限だけ残す選択が現実的です。残す場合は用途を照明などに限定し、不要機器は抜いて回路を絞ります。
Q2. 水道を止めると家が傷みますか?
止め方次第です。元栓を閉めたうえで水抜きまで行えば、漏水や凍結のリスクを下げられます。排水トラップの封水切れによる臭気には注意が必要です。
Q3. ガスは元栓を閉めるだけで大丈夫ですか?
契約や設備によって、閉栓手続きや立会いが必要なことがあります。安全面も含めて、契約先の案内に沿って止めるのが確実です。
Q4. 何も使わないのに基本料金がもったいないです。
完全停止だけが答えではありません。点検や内覧があるなら、最小維持にして必要な時だけ使える状態を残すと手戻りが減ります。費用と手間のバランスで決めます。
Q5. 一度止めた後、再開は面倒ですか?
電気や水道は比較的戻せますが、ガスは立会いが必要になることがあります。止める前に「次に使う予定」を一度確認すると、余計な往復を避けられます。
現場職人の本音トーク
わたしは現場を20年以上も見てきた。空き家のライフライン停止は、ブレーカーを落とすだけの話じゃない。抜けた歯のまま噛もうとして顎が痛む、あの感じの地味な怖さがある。冬の冷え込みで一気に表面化する。
詰まる原因は3つだ。止めたつもりで水が残る、通電が中途半端で不安が残る、閉栓の手続きが抜ける。悪意より構造で、誰もサボってないのに事故は起きる。絡まったホースは、引っ張るほど折れクセが付く。
今すぐ、契約の名義と請求先をメモしとく。今日、元栓を閉めて水抜きまで済ませていい。週末、必要回路だけ残して照明の動きだけ作りしとけ。
全部止めるより最低限を残すほうが安全な場面がある。ここまでやってダメなら次は、電気工事や設備の点検に寄せろ。夜に近所から「暗いし郵便が溜まってるぞ」と言われて、そこで初めて焦る場面、何度も見た。
最後に笑い話。節約のつもりで全部止めて、内覧の日に真っ暗で懐中電灯を探して汗だく。で、結局その場で再契約の電話をかける。だから最初から、使う日の想像だけはしとけ。
まとめ
空き家の電気水道ガスを止める前は、目的と最低ライン、止め方の手順を先に決めるのが大切です。完全停止は節約になりますが、防犯と劣化の別リスクを呼びます。バランスを取る設計が結局は安いです。
次の一手は、ガス・水道・電気の順番を固定し、水道は元栓だけで終わらせず水抜きまで行うことです。通電を残すなら用途を絞り、見え方と安全を同時に整えます。難しければ設備点検へ切り替える判断も必要です。
今日やるのは「止めるか残すかの最低ライン決め」と「止める順番の固定」だけで十分です。そこが決まれば、節約と安心を両立した止め方に寄せられます。
