墓じまいを始めると、「遺骨はいくつありますか」と聞かれて固まる方が多いです。骨壺の数を見れば分かると思っていたのに、人数と合わないこともあります。
原因はシンプルで、情報の持ち主が分かれているからです。寺や霊園の記録、墓誌、家の書類、親族の記憶がバラバラになり、同じ人でも表記が揺れます。焦って申請書を書き始めるほど、手戻りが増えがちです。
そこでこの記事では、遺骨の数を「誰が」「何を根拠に」把握して確定するのかを整理し、骨壺と人数の数え方、ズレたときの進め方までを手順でまとめます。
こんにちは、ケン(2級建築士)です。このサイトでは、墓じまいを中心に、相続・法事・供養まわりで迷う方に向けて「話を盛らない・現実ベース」で整理してお伝えしています。建築業界で約20年、現場施工を軸に、見積もり・段取り・説明の場まで、判断が割れやすいタイミングを数多く見てきました。
わたしは墓じまい工事そのものや士業の専門家ではありませんが、現場側の目線として契約や手続きの前に、どこを確認すれば安心に近づくか/どこで不安が残りやすいかを手順に落として言語化できます。このサイトでは「何から考えるか」「詰まりやすい所」「判断の基準」を、迷わない順番で具体的に整理しています。
▶︎ 運営者プロフィールを見る1. 墓じまい時、遺骨の数は誰が把握する?
実務の起点は墓地・納骨堂の管理者で、最終的に申請として“数を確定して出す”のは申請者です。
改葬許可は市区町村へ申請しますが—申請に添える「埋葬(埋蔵・収蔵)の事実」を証明するのは、いま遺骨がある場所の管理者になることが多いです。寺院墓地なら住職、霊園なら管理事務所が窓口になります。申請者は、誰の遺骨をどこへ移すかを特定して記入し、必要書類を揃えて提出します。役割分担の理解が先です。
- 管理事務所に台帳の有無を確認する
- 住職に過去帳の表記揺れを相談する
- 墓地使用者名義と連絡先を照合する
- 墓誌の刻字を一覧に書き起こす
- 不明者を別枠で仮リスト化する
「管理者が全部わかっているはず」という反論も出ますが、改修や名義変更で記録が一本化されていないこともあります。逆に、家の記憶だけで数を決めるのも危険です。両方を突き合わせ、申請者が根拠を持って確定するのが安全策。焦りが最大の敵。
2. 骨壺と人数の数え方
数える単位は「骨壺」ではなく「遺骨の人数(体数)」で、骨壺の個数は参考情報です。
骨壺1つ=1人分とは限りません—分骨で骨壺が増えることもあれば、粉骨やまとめ骨で減ることもあります。改葬の申請は遺骨1体ごとに申請書を求める案内があるため、最終的には体数で整理するのが確実です。見た目の容器数ではなく、誰の遺骨かで数を固めるのが正攻法になります。数え方の基準合わせ。
- 墓誌の氏名と戒名を対応づけて書く
- 台帳の埋葬者名をそのまま転記する
- 戸籍で死亡日と続柄を確認する
- 合祀の有無を管理者に聞き取る
- 体数ごとに申請書の下書きを作る
「骨壺が3つだから3人」と決めたくなりますが、ズレやすい典型です。台帳に名前があっても、既に合祀されて骨壺が残っていない場合もあります。まずは“人”を確定し、骨壺は状態の手掛かりとして扱うのが安全です。最短ルートは体数整理。
3. 数がズレる原因
ズレの主因は、記録と現物と親族認識が別々に更新されてきたことです。
家の書類は代替わりで途切れやすく—管理者の記録は様式変更や担当交代で追いにくくなります。墓誌は刻字が情報源として強い一方、戒名と俗名の対応が分からないと同一人物か判断しにくいです。さらに、合祀や改修で「骨壺がある前提」が崩れることもあります。原因は誰かの落ち度ではなく構造です。
- 墓誌の刻字を年代順に並べ直す
- 戒名と俗名の対応表を作り分ける
- 同姓同名を続柄で切り分ける
- 納骨日不明を台帳で補完する
- 合祀済みの対象者を別枠にする
「書類がないから無理」という反論もありますが、墓誌と管理者台帳で埋まる穴は多いです。逆に「うちは普通だからズレない」も危険で、普通の家ほど情報が散ります。ズレは前提として扱い、潰す順番を決めるのが早い。分散の整理。
4. 数を確定する手順
確定は「一覧作成→管理者証明で裏取り→自治体様式に落とす」の順で進めると手戻りが減ります。
先に改葬先を決めて受入関係の書類を揃えると—申請の形が見えやすくなります。次に、現墓地の管理者へ埋葬(収蔵)の事実を確認し、人数(体数)の認識を合わせます。最後に、市区町村の申請様式へ体数で落とし込み、必要なら複数体用の別紙も使います。順番が品質です。
- 埋葬者一覧を紙1枚にまとめ切る
- 管理者に証明欄の記入を依頼する
- 体数分の申請書を先に下書きする
- 必要添付の不足を窓口で確認する
- 許可証受領後に管理者へ提示する
「全部まとめて1枚で出したい」と思うのは自然ですが、自治体によって申請単位が決まっています。先に窓口で件数の考え方を確認し、管理者証明の段階でズレを潰すと早いです。ここを飛ばすと、後で書き直しになります。段取り勝負。
5. FAQs
Q1. 遺骨の数は戸籍で分かりますか?
戸籍は死亡日や続柄の確認に役立ちますが、遺骨が「その墓地に収蔵されている事実」までは直接示しません。墓誌や管理者台帳と突き合わせて、体数の根拠を固めるのが現実的です。
Q2. 骨壺を開けて確認したほうが良いですか?
基本は開けずに進めるほうが安全です。容器ラベル、墓誌、管理者の証明で足りることが多く、開封は精神的負担も大きくなります。不一致が残るときだけ、管理者と段取りを決めて判断してください。
Q3. 台帳に名前があるのに骨壺が見当たりません。
合祀や改修で骨壺が残らない形になっている場合があります。管理者に「現在の収蔵形態」を確認し、その状態で申請書の書き方を合わせると前に進みます。
Q4. 申請者は誰になるのが一般的ですか?
一般的には墓地使用者や祭祀承継者など、墓の管理責任を担う方が申請者になります。名義が別の方になっている場合は、承諾書や委任状の要否を自治体で確認しておくと安心です。
Q5. 数が不明なままでも申請できますか?
運用は自治体によって異なりますが、不明が多いほど後工程で詰まりやすいです。墓誌→管理者台帳→親族ヒアリングの順で不明を減らし、体数を確定してから申請するのが安全です。
現場職人の本音トーク
わたしは現場を20年以上も見てきた。遺骨の数で止まるのは珍しくないし、そこで慌てるほど沼に入る。砂時計をひっくり返しても、落ちる砂の速さは変わらない。
ズレる理由は3つ—家の書類が途切れる、管理側の記録が形式変更で追いにくい、合祀や改修で「骨壺がある前提」が崩れる。絡まった糸を引っぱるほど、余計に固くなる。梅雨どきは連絡も気持ちも重くなるから、先に動いとくと勝ちだ。
まず、家の書類を全部集めて一か所に置いとく。次に、墓誌と台帳から埋葬者を紙1枚にまとめる。週末までに、その紙を持って管理者に当てればいい。
数は「骨壺」じゃなく「体数」で確定する。ここだけ外さない。台所のテーブルで親族に説明して、誰かが「たぶんこれくらい」と言い出すと一気に長引く。根拠が揃ってるだけで、会話は短くなる。
最後は淡々と照合して終わらせる。夜にコンビニでコピーを取って、プリンターの紙詰まりに付き合うのも想定内だ。墓じまいのラスボスは、だいたい書類じゃなくコピー機。
まとめ
墓じまいの遺骨数は、管理者の記録と墓誌などの根拠を突き合わせ、申請者が体数で確定するのが基本です。骨壺の個数だけで判断するとズレやすく、後から手戻りが増えます。最初に「誰の遺骨を移すか」を特定することが重要です。
家の書類を集めて一覧を作り、管理者に証明の相談をして裏取りしてください。そのうえで自治体の様式に合わせて体数で申請を組み立てると、工程が崩れにくくなります。改善しない場合は、自治体窓口で申請単位や別紙の扱いを確認し、必要なら寺・霊園・石材店に段取りを相談すると前に進みます。
今日やることは「埋葬者一覧を作って管理者に当てる」だけで十分です。数が固まれば、改葬先の選択も当日の流れも自然に決まります。迷いの正体は情報不足なので、順番どおりに潰していけば大丈夫です。
改葬許可申請には墓地等の管理者の作成した埋葬・収蔵の事実を証する書面が求められる扱いがあります。参考資料:cao.go.jp。
改葬許可申請書は遺骨1体につき1枚必要とする自治体案内があります。参考資料:city.osaka.lg.jp。
