相続登記は「司法書士に頼むもの」というイメージが強いですが、結論から言うと自分で申請すること自体は可能です。とはいえ、やってみると途中で手が止まる場面も多く、最初に難所と判断基準を押さえておくと安心です。
つまずきやすいのは、申請書を書く作業よりも、相続関係と不動産情報を“登記で通る形”に整える部分です。書類が揃っていない状態で走り出すと、補正ややり直しで時間が溶けます。
そこでこの記事では、相続登記を自分で進められる範囲と、難しい部分に当たった時の頼む判断基準を整理します。最後に「ここまでなら自力、ここからは依頼」という線引きまで決めます。
こんにちは、ケン(2級建築士)です。このサイトでは、墓じまいを中心に、相続・法事・供養まわりで迷う方に向けて「話を盛らない・現実ベース」で整理してお伝えしています。建築業界で約20年、現場施工を軸に、見積もり・段取り・説明の場まで、判断が割れやすいタイミングを数多く見てきました。
わたしは墓じまい工事そのものや士業の専門家ではありませんが、現場側の目線として契約や手続きの前に、どこを確認すれば安心に近づくか/どこで不安が残りやすいかを手順に落として言語化できます。このサイトでは「何から考えるか」「詰まりやすい所」「判断の基準」を、迷わない順番で具体的に整理しています。
▶︎ 運営者プロフィールを見る1. 相続登記は自分でできる?
相続登記は自分でできますが、成功のカギは「書類の設計」を先に固めることです。
法務局へ提出するのは、申請書と添付書類のセットになります—つまり「誰が、どの不動産を、どんな根拠で相続したか」を書類で説明できれば進みます。相続人が少なく、遺産分割の内容が明確で、登記簿の名義情報にズレがなければ、自力でも十分に完了できるケースが多いです。逆に、情報が散らかった状態だと、作成より整理で詰まりやすくなります。
- 登記事項証明書を取得する
- 固定資産評価額を確認する
- 戸籍で相続人を確定する
- 遺言書の有無を確認する
- 取得者を決めて方針を固める
「自分でやるのは危険」と言われることもありますが、条件がシンプルなら必要以上に怖がる必要はありません。反対に「誰でも簡単」と捉えると危ないです。自力でいけるかは難易度ではなく、整った材料がそろうかで決まります。
2. 難しい部分と頼む判断基準
難しいのは申請書の記入より、相続の“合意”と“不一致”を登記に落とすところです。
相続登記で重くなるのは、相続人同士の合意形成と、登記簿情報のズレの処理です—法務局も「自分で申請するか」を検討する人向けに案内を出しており、相談窓口の活用も含めて設計するのが現実的です。参考資料:houmukyoku.moj.go.jp。相続人が増える、連絡が取れない、分割内容が複雑、住所氏名が一致しない、これらが混ざるほど、時間とストレスが跳ね上がります。
- 相続人が多く連絡調整が要る
- 遺産分割協議がまとまらない
- 登記簿の住所や氏名がズレる
- 不動産が複数で漏れが出る
- 期限や売却予定で急いでいる
「報酬がもったいない」と感じるのは自然ですし、書類収集は自分でやる選択もあります。ですが、合意の作り方やズレの補強で止まると、結局は二度手間になりがちです。調整と不一致が1つでも重いなら、依頼に切り替える方が安く終わります。
3. 書類と合意で詰まる
自分でやる場合の最大の壁は「相続関係の確定」と「分割内容の書面化」です。
戸籍を集めて相続人を確定し、遺産分割協議書を“登記で通る形”に整える必要があります—ここで記載の漏れや表現のズレがあると、登記は止まります。さらに、不動産が複数あると「物件の特定」が増え、地番や家屋番号の転記ミスも起きやすいです。作業量が膨らむほど、ミスの確率も上がります。
- 戸籍を出生から死亡まで集める
- 相続関係説明図を作成する
- 不動産の表示を登記簿で写す
- 協議書の対象不動産を一致させる
- 印鑑証明と本人確認を揃える
「書類さえ集めれば何とかなる」と思われがちですが、集めた書類をどう並べて説明するかが本体です。反対に、いったん骨格ができれば、申請書の作成は作業になります。詰まりどころは最初から決まっているので、そこだけは丁寧に守るべきです。
4. 自力か依頼か決める
判断は「自分で整えられる範囲」を線引きして、止まったら早めに切り替えるのが正解です。
基準はシンプルにすると迷いません—相続人が少ない、争いがない、不動産が少ない、登記簿の情報に大きなズレがない、この4つがそろうなら自力の成功率は上がります。逆に、調整が必要な人がいる、期限が迫る、住所氏名の不一致がある、物件が多いなら、途中から依頼するとスムーズです。最初から全部を外注しなくても、難所だけ切り出す発想が効きます。
- 自分でやる条件を4つで判定する
- 書類収集だけ先に終わらせる
- 不一致の有無を登記簿で確認する
- 協議の見込みが立つか見極める
- 止まった地点を整理して渡す
「もう少し頑張ればいける」と粘るほど、時間だけが過ぎてしまうことがあります。反論として「一度は自分で挑戦したい」も分かります。ですが、ここまでやってダメなら次は司法書士へと決めておくと、無駄な消耗を避けられます。
5. よくある質問5つ(FAQ)
Q1. 相続登記は本当に自分でできますか?
できます。相続人が少なく、遺産分割が明確で、登記簿の名義情報に大きなズレがなければ、自力でも完了しやすいです。逆に条件が複雑なら、難所だけ依頼に切り替える方が安全です。
Q2. 自分でやると、どこが一番難しいですか?
申請書の記入よりも、戸籍で相続人を確定し、遺産分割協議書を登記で通る形に整える部分が難所になりやすいです。不動産の表示を正確に一致させる点も要注意です。
Q3. 司法書士に頼むと、何が一番楽になりますか?
不一致の補強や、協議書の整え方、補正対応など、手戻りが出やすい部分が一気に軽くなります。時間の短縮だけでなく、精神的な消耗が減る効果も大きいです。
Q4. 途中まで自分でやって、途中から依頼はできますか?
できます。戸籍収集や登記簿の取得など、前段の準備を自分で進めてから依頼すると、費用と時間のバランスが取りやすいです。止まった地点を整理して渡すのがコツです。
Q5. 依頼に切り替える判断基準は何ですか?
相続人が多い、連絡不能がいる、争いの気配がある、住所氏名の不一致がある、期限が迫っている、のどれかが強いなら切り替え時です。自力で骨格が作れないなら早めが安全です。
現場職人の本音トーク
わたしは現場を20年以上も見てきた。相続登記を自分でやる人は真面目だし、節約の感覚も健全だ。だが冬の朝みたいに、途中で手がかじかんで動かなくなる瞬間が来る。
詰まる原因は3つに割れる。戸籍がそろっても相続関係が読めない。協議書があっても不動産の特定がズレる。登記簿の住所氏名が噛み合わず同一人物が示せない。悪意じゃない、構造だ。迷路の壁が動く。
今すぐ、登記簿を取って名義と不動産の表示を写しとく。今日、戸籍の範囲を出生から死亡までで決めていい。週末、協議の論点を紙に並べて、決まるものだけ先に決める。
ここまでやると線引きができる。書類の骨格が立てば、あとは作業だ。不一致と調整が残るなら、そこから先は任せる。ここまでやってダメなら次は司法書士、で迷いは終わる。親族グループLINEが既読だらけで動かない、あの空気。
最後は笑い話。机の上をきれいにしてから始めるつもりが、気づいたら紙の山で机が消える。登記も同じで、片付けより先に「骨格」を作ると、机はちゃんと戻ってくる。
まとめ
相続登記は自分でもできます。ただし、勝負所は申請書の記入ではなく、相続関係と不動産情報を登記で通る形に整えることです。条件がシンプルなら自力完了も現実的です。
難しい部分は、合意形成と不一致の処理です。相続人が多い、分割が難航する、住所氏名がズレる、期限が迫る、こうした要素が強いほど依頼のメリットが大きくなります。途中から切り替える前提で動くと安全です。
今日やるのは、登記簿で名義と不動産の表示を確認し、戸籍収集の範囲を決めることです。ここができれば、自力か依頼かの判断がつきます。骨格が作れないなら早めに任せる、それで十分です。
