生前整理を進める中で、「相続の準備も一緒にやっておいた方がいいのか」と気になり始める人は多いです。片付けだけで精一杯なのに、財産や連絡先まで考えると頭が真っ白になります。
不安の正体は、相続税や手続きそのものより、家族がどこまで把握できているかにあります。情報が散らばったままだと、いざという時に探すだけで時間が溶け、揉める火種にもなります。
そこでこの記事では、生前整理の流れで相続準備を進める5つを、財産目録と連絡先の整え方に絞って整理します。読むほどに「今日やること」が具体化する形でまとめます。
こんにちは、ケン(2級建築士)です。このサイトでは、墓じまいを中心に、相続・法事・供養まわりで迷う方に向けて「話を盛らない・現実ベース」で整理してお伝えしています。建築業界で約20年、現場施工を軸に、見積もり・段取り・説明の場まで、判断が割れやすいタイミングを数多く見てきました。
わたしは墓じまい工事そのものや士業の専門家ではありませんが、現場側の目線として契約や手続きの前に、どこを確認すれば安心に近づくか/どこで不安が残りやすいかを手順に落として言語化できます。このサイトでは「何から考えるか」「詰まりやすい所」「判断の基準」を、迷わない順番で具体的に整理しています。
▶︎ 運営者プロフィールを見る1. 生前整理で相続の準備を進める5つ
相続準備は「完璧」より「見える化」を先に作るのが正解です。
生前整理と相続準備を同時にやると、判断が増えて止まりやすいです—だから最初は「全体像が見える最低限」に落とします。残すか捨てるかの判断と、財産の把握は別の筋肉なので、同じ日に詰めない方が進みます。整える目的は、家族が困らない状態を作ることです。
- 財産を現金・不動産・保険・負債に分けて一覧の箱を作る
- 通帳や証券の置き場所と名義をメモして同じ封筒へまとめる
- 保険証券の会社名と担当窓口を控えて写真も残しておく
- 借入やローンの残高と返済口座を確認して別枠で記録する
- 家族に渡す書類置き場を1か所決めて迷子をなくす
「全部終わってからまとめる」と考えると、結局いつまでも始まりません。先に枠だけ作ると、作業の途中で出てきた情報を投げ込めます。枠がある人は進み、枠がない人は探し物で疲れます。見える化の勝ち。
2. 財産目録と連絡先の整え方
財産目録は「金額」より「どこにあるか」を揃えると強いです。
相続の現場では、預金・有価証券・保険・不動産・債務などの範囲を押さえるのが基本になります—最初から細かい評価に入りません。国税庁の相続税の手引でも、課税対象や控除できる債務などの整理が前提として示されています。参考資料:nta.go.jp。連絡先は「会社名・担当部署・連絡手段」を揃えるだけで、家族の負担が激減します。
- 銀行名・支店・口座種別・名義を1行ずつ書いて一覧にする
- 証券口座の会社名とログイン方法の有無を別紙で管理する
- 保険会社と証券番号と請求窓口の電話番号を同じ欄に入れる
- 不動産は所在地と名義と固定資産税通知の保管場所を記録する
- 連絡先は家族・専門家・勤務先を分けて最新版に更新する
「金額が分からないから作れない」と止まる人が多いですが、先に場所と名義が揃えば前に進みます。金額は後から更新できますが、所在が不明だと更新すらできません。連絡先も同じで、まずは到達できる形にすることが最優先。ここが分岐点になります。
3. 情報が散らばる
相続準備が進まない原因は、情報が分散していることです。
家の中のどこかにあるはず、と分かっていても見つからないのが一番つらいです—探すほど疲れ、片付けの手も止まります。情報が散らばると、家族に説明する時も曖昧になり、不信の芽が生まれます。散らばりを止めるには、置き場と記録の両方を固定します。
- 紙の書類はファイル1冊に集約して分類ラベルを付ける
- 重要書類の置き場を写真に撮って一覧の最後に貼っておく
- 暗証番号は書かずに手がかりだけ残して保管方法を決める
- 期限がある書類を先に抜いて箱を分けて迷いを減らす
- 同じ棚に戻す運用にして出しっぱなしの癖を断ち切る
情報が散らばったままだと、片付けが進むほど「どこに移したか」が増えます。場所の固定は、管理を楽にするための手段です。家族のためというより、未来の自分のためでもあります。散らばりを止めた瞬間に、準備が動き出します。
4. 共有できる形にする
家族に渡すのは「結論」と「探せる手がかり」だけで足ります。
共有は早いほど安心ですが、情報を出しすぎると逆に混乱します—だから渡すのは目録の要点と連絡先の最新版に絞ります。家族の性格や距離感に合わせて、紙で渡すか、置き場だけ伝えるかを選びます。ここまでやってダメなら次は専門家に一緒に棚卸しを頼む、という判断も自然です。
- 目録の写しを1枚作り保管場所と更新日だけ明記して渡す
- 連絡先リストを家族用に簡略化して迷わず連絡できる形にする
- 通帳や証券は現物を渡さず保管場所と名義だけ共有しておく
- デジタル契約はサービス名と登録メールだけ残して入口を作る
- 更新日を月1回など決めて古い情報を放置しない運用にする
「全部説明しないと不安」と感じても、家族は細部より次の行動が欲しいです。探す手がかりがあるだけで、手続きは前に進みます。共有は信頼のための道具であり、監視のための道具ではありません。押しつけず、見える形だけ渡すのが上手いです。
5. よくある質問5つ(FAQ)
Q1. 財産目録は手書きでも問題ない?
問題ありません。重要なのは、名義・置き場所・連絡先が揃っていて、家族が辿れることです。更新日だけは必ず入れると混乱が減ります。
Q2. 連絡先は誰の分まで用意すればいい?
家族、勤務先、保険・銀行・証券、そして相談先候補があれば十分です。緊急時に最初に連絡する順番が分かる形にします。
Q3. 借金やローンも目録に入れるべき?
入れる方が安全です。残高が不明でも、契約先と返済口座が分かれば調べられます。隠すほど家族の負担が増えます。
Q4. 暗証番号やパスワードは書いて残すべき?
そのまま書くのは避けた方が無難です。入口になる情報だけ残し、保管方法を家族と決めておく形が安全です。
Q5. 家族に切り出しにくい時はどうする?
いきなり全部を話さず、「置き場だけ共有する」から始めると進みます。目録の写しを渡して更新日だけ伝える方法も使えます。
現場職人の本音トーク
わたしは現場を20年以上も見てきた。生前整理のついでに相続準備までやろうとして、手が止まるのは普通だ。頭の中が渋滞して、梅雨の湿気みたいに重くなる瞬間がある。
止まる理由は3つ。情報が散らばる、家族に言いづらい、金額が分からない。誰かが怠けたわけじゃない、悪意より構造でそうなる。引き出しの奥に地図のない宝箱が増えていく感じだ。
今すぐ、紙1枚に「銀行・保険・不動産・負債」の4枠を書いとく。今日、通帳と証券と保険の置き場を写真で残しとく。週末、連絡先だけまとめて家族に渡していい。
ここまでやると、急に静かになる。相続準備は金額より所在が揃えば勝てる。ここまでやってダメなら次は税理士か司法書士に棚卸しを頼め。机の上に付箋が増えすぎて、結局どれが最新か分からなくなる場面、よくある。
最後に笑える話。目録を作る前に、なぜか新品のファイルだけ増える人がいる。道具を買った時点で脳が終わった気になるんだな。ファイルは立派でも、中身が白紙だとただの板だ。
まとめ
生前整理で相続準備を進めるコツは、完璧より見える化を先に作ることです。財産目録は金額より「どこにあるか」を揃えると進みます。連絡先も、会社名と窓口が揃うだけで家族の負担が大きく減ります。
次の一手は、情報の散らばりを止めて、紙と置き場を固定することです。共有は出しすぎず、目録の要点と探せる手がかりだけで十分です。改善しない場合は、専門家と一緒に棚卸しする判断へ切り替えれば止まりません。
今日やるのは「4枠の目録を作って置き場の写真を残す」だけで足ります。それができれば、週末に連絡先を整えて家族へ共有する流れが作れます。準備が進むほど、生前整理の不安は軽くなります。
